花火に魅了されて約300年!日本の花火の歴史とよく見る打ち上げ花火の名前とは?
- YOSHINOBU NISHIKAWA
- 2023年8月11日
- 読了時間: 3分

こんにちは! ニコnewsです。
日本の夏の風物詩として外せないのが花火。打上げ花火を見ている間は、嫌なことも忘れて、つい無心で見入ってしまいますね。
日本各地で花火大会がおこなわれているのは、その美しい輝きと壮大な演出が、多くの人々を魅了し続けているからでしょう。
今回は、日本で花火大会がおこなわれるようになった経緯と、よく見られる花火の種類を紹介します。
日本の花火の歴史

花火の元となる火薬は、中国の錬丹術師によって偶然発明されました。やがて軍事技術者の手に渡り、武器として使用されるようになります。日本に武器として火薬が持ち込まれたのは鎌倉時代。1274年(文永11年)、最初の蒙古襲来のときでした。
武器としてではなく、今の花火の原形のようなかたちで使われるようになったのは14世紀後半、イタリアのフィレンツェで祝砲として打ち上げられたのが最初だったといわれています。
日本で花火が鑑賞されるようになったのは江戸時代。徳川家康が、中国人によって打ち上げられた花火を見たことがきっかけで、将軍や大名の間で花火が流行します。
一般の人々が見られるような川沿いに初めて花火が上がったのは、享保の大飢饉が発生した1733年(享保18年)。8代将軍・徳川吉宗が飢饉の終息を祈って水神祭をおこない、その時に花火を打ち上げたのが始まりでした。
打ち上げ花火の種類
まずは打ち上げ花火の形状を表わしたインフォグラフィック(作成:グラフィックデザイナーの小宮山秀明氏)をご覧ください。
ひとことで「打ち上げ花火」といっても、種類はさまざま。
左にあるほど「尾を引く」、つまり、しだれてハラハラと火の粉が落ちていくようなさまが見られるもの。逆に「尾を引かない」とは、ハラハラと落ちてくることなく、上空で光が消えていくものをいいます。
花の名前がついた代表的な花火3つ
打ち上げ花火の中でも代表的な、花の名前がついたものを写真とともに紹介します。
冠菊(かむろぎく)

丸く広がったあと、地上近くに落ちてくるまで長く燃え続けるのが特徴。
下に長くしだれていくようすが華やかです。
昔、おかっぱ頭のことを「かむろ」と呼んだことから、この名前がつけられました。
菊花火

一般的に「花火」と聞いて最初に思い浮かべるのは、この菊花火ではないでしょうか。
尾を引きながら放射状に飛び散るさまが菊に似ていることからつけられました。
芯の部分が二重になり、全体で三重になるものが「八重芯(やえしん)」、芯が三重になり全体で四重になるものを「三重芯(みえしん)」と呼びます。
牡丹

菊花火と並ぶ伝統的な花火が牡丹。
2つの違いは、菊花火が尾を引きながら開き、色の出がやや遅れるのに対し、牡丹は尾を引かずに点で開き、開いてすぐに色が出るところです。
花火大会の最後を飾るスターマイン
たくさんの花火が間をおかずに次々に打ち上げられるものをスターマインと呼びます。
花火大会のフィニッシュに使われることも多く、いろいろな花火が一度にたくさん打ち上げられるのを見ると「花火大会もいよいよ終わるんだなあ」と感じますよね。

こちらは菊花火と牡丹が中心ですが、小さな花がたくさん咲いているように見える花火は「千輪」といいます。打ち上げたとき、最初に外側の大きな玉が割れ、続いて中に仕込んであった小さな玉が割れて、このような状態になるのだそう。
今回紹介したものは、花火大会の規模を問わずに見ることができるポピュラーなもの。次に打ち上げ花火を見るときには「あれは丸く開いたあとに長くしだれているから、冠菊だな」とか「あれは点で開いて消えたから牡丹だな」といった具合に思い出し、楽しんでいただけたら嬉しいです。
本記事参考サイト
ニコ株式会社 代表 西川
ライター 三葉紗代
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