ひまわりは太陽の方を向いていない?なぜ真上ではなく横向きに咲いているの?
- YOSHINOBU NISHIKAWA
- 2023年7月31日
- 読了時間: 3分

こんにちは! ニコnewsです。
真夏の太陽に似合う花といえば「ひまわり」。
花に詳しくなくても、ひまわりを知らない人はいないでしょう。
ところで、一般的にひまわりといえば「太陽の方を向いて咲いている」、それも「真上ではなく横や斜め上を向いて咲いている」というイメージがありませんか?
実は、ひまわりは太陽に向かって咲いているわけではないのです。
ではなぜ太陽に向かっているイメージがあるのか。それは、花が咲いている状態ではなく、花が咲く前の成長段階が深く関係していました。
ひまわりが「太陽に向かって咲いている」は間違い?

ひまわりといえば、太陽の方に向かって大輪の花を咲かせているイメージ。
実際、ひまわりは太陽の光をたくさん浴びて成長する植物で、茎が伸びてつぼみがつくまでは、太陽の動きを追いながら向きを変えているのだそう。
しかし、そのような動きをするのは成長過程にある若いひまわりだけ。成長し終えた、つまり開花したひまわりは、太陽に合わせて動くことはなく、一方向に固定された状態になります。
開花したひまわりは東を向いていることが多いのですが、別の方角、たとえば反対の西を向かせて植え替えても、そこから東向きに変わることはありません。成長したひまわりは、自分で向きを変えられないからです。
ひまわりは太陽に向かって「成長」している

ひまわりは、真上ではなく横や斜め上に向かって咲いていることがほとんどですよね。
これは、植物の光屈性(屈光性)と、成長ホルモンであるオーキシンの働きによるもの。
光屈性(屈光性)とは、植物の茎が光の方向に伸び、根は光と反対の方向に伸びる性質をいいます。
オーキシンは、光と反対の方向に移動する性質があり、昼間は太陽の当たる部分の反対側、つまり頭(花になる部分)の裏側で濃度が高くなります。その部分の成長が活発になるというわけですね。
この2つが作用するとどうなるのか?
「頭は光の方を向きたい、茎は伸びたい」
その結果、茎は、太陽を向く頭の方へ曲がっていく、という状態になるのです。
ただし、花の咲くころの茎は成長が止まって固くなるので、向きを変えることはなくなります。

オーキシンと光屈性は、ひまわりだけが持つ特性ではありません。
それにもかかわらず「太陽に向かって咲いている」「横を向いて咲いている」というイメージが特に強くあるのは、大きくて目立つ花だからなのでしょう。
ひまわりほどは目立たなくても、同じように「光の方を向いて成長している植物」は、たくさんあるのかもしれませんね。
夏は、植物の生き生きとした生命力を感じられる季節。
暑さには注意を払いつつ、元気をもらって乗り切りたいものです。
本記事参考サイト
ニコ株式会社 代表 西川
ライター 三葉紗代
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