ひな人形の並べ方は東西で逆?お内裏様とお雛様の本当の意味も知ろう!
- YOSHINOBU NISHIKAWA
- 2023年2月22日
- 読了時間: 2分

こんにちは! ニコnewsです。
3月3日はひな祭り。段飾り、あるいは最上段の二人だけなど、家庭によって飾り方はさまざま。そんなひな人形の「並び」と「童謡の歌詞」にまつわる意外な事実をご紹介します。
最上段のお殿様とお姫様の並び
ひな人形は、人形側から見て右(向かって左)にお殿様、左(向かって右)にお姫様を飾るのが一般的。
しかし、京都や関西地方の一部では左右逆に置かれます。

元々日本には「左方上位(左側の方が位が高い)」という考え方がありました。これは中国の「天子南面(帝は太陽のある南を向いて座る)」を取り入れたもの。
南を向いて座った場合、太陽がのぼる東が左側になるからです。
京都やその近くでお殿様を左(向かって右)に置くのは、日本古来の考え方を受け継いでいるため。
ではなぜ他の地域では逆になったのかというと、明治時代に入って来た西洋文化に影響を受けたからでした。皇室でも「男性が右、女性が左」を取り入れたため、一般の結婚式でも同じ作法が広まったのです。
ひな人形は、どちらの並べ方でも問題ありません。
歌詞が間違っている『うれしいひなまつり』
お内裏様とお雛様

「あかりをつけましょ ぼんぼりに」で始まる歌の中で、最上段の二人は「お内裏様とお雛様」と呼ばれています。
そのため私たちは「男性がお内裏様、女性がお雛様」と思っていますね。
ところが、この認識は間違い。
まず「内裏(だいり)」は天皇の私的区域の名称で、ひな人形は、その区域内で行われた天皇と皇后の結婚の儀を模したもの。つまり「お内裏様」は、どちらかひとりではなく内裏にいるお二人を指しているのです。
また、「お雛様」も一対になっているお二人(男雛と女雛)のことで、お姫様の方だけを指す言葉ではありません。
歌詞の内容が間違っていたとは驚きですね。これからは「二人合わせてお雛様」と覚えておきましょう!
赤いお顔の右大臣

こちらが「赤いお顔の右大臣」と歌われている人で、段飾りの向かって右側に座っています。ということは、お雛様から見たら左側ですね。
つまり、この人は「左大臣」。
「左方上位」の観点からも、反対側に座っている(白い顔の)若い男性が右大臣、年配であるこちらの男性が左大臣、と考えるのが自然でしょう。
とは言っても、皆が覚えている童謡ですので、これまでどおりに歌って、楽しいひな祭りを過ごすのがいちばんです。
もしもお子さんが矛盾点に気づいてしまったら、そっと教えてあげてくださいね。
本記事参考サイト
ニコ株式会社 代表 西川
ライター 三葉紗代
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